ワンクリック登録解除とは、メール受信者が簡単な操作でメールマガジンの配信停止を行う方法として、RFC 8058 Signaling One-Click Functionality for List Email Headersで標準化されている仕組みです。
従来、メール受信者が不要なメールを受け取った場合、配信停止の手続きが煩雑であるため、迷惑メールとして処理されることが多くありました。
ワンクリック登録解除を利用することで、迷惑メールとして登録することなく配信停止が可能となり、迷惑メールボックスへの振り分けを抑制できます。
もくじ
ワンクリック登録解除を必要とするケース
ワンクリック登録解除機能は、メールマガジンなど、マーケティング目的のメールの場合に必要とされます。
対して、パスワードの再設定、予約の確認、フォーム送信の確認のようなメール(トランザクションメール)では、ワンクリック登録解除は不要です。
ワンクリック登録解除の仕組み
ワンクリック登録解除は、メール送信者とメールクライアントが対応することで実現されます。
List-Unsubscribeヘッダの付与
メール送信者は、メールヘッダに規定のヘッダ(List-Unsubscribeヘッダ)を付与して配信を行います。このヘッダに、ワンクリック登録解除の受付先を指定するため、メール送信者は登録解除を受け付ける仕組みを用意する必要があります。
本システムでは、ワンクリック登録解除を受け付けるシステムを提供しており、List-Unsubscribeヘッダに設定するワンクリック登録解除URLを自動的に生成し、メールヘッダに付与して送信します。
お客様が準備されたURLを設定することも可能です。RFCでは、受付先はHTTPSのURLを一つ含むこととなっており、併せて、HTTPSでないものやMAIL-TOの指定も許されていますが、本システムではURLの設定のみが可能です。
ワンクリック登録解除のRFCでは、List-UnsubscribeヘッダはDKIM署名の対象となっている必要がありますので、DKIMも併せて導入してください。
ワンクリック登録解除とメール本文中の配信停止URLの違い
List-Unsubscribeヘッダに追加するURLには、RFCの定義として「ユーザーの入力を介さないURL」であることが求められます。
そのため、これまでメール本文中に設定していた配信停止URLのように、メール受信者が入力操作を行う画面に遷移するようなURLを指定することはできません。
List-Unsubscribeヘッダに設定するURLを独自で準備する場合には、RFCの内容をご確認いただき、仕様をご検討ください。
配信停止URLの必要性
ワンクリック登録解除を設定したとしても、メール本文に配信停止URLを設置する必要がなくなるわけではありません。複数のメールサービスプロバイダの要件では、「メール本文中の配信停止URLの設置」は依然として必要とされています。したがって、メール本文中への配信停止URLの設置については、引き続きご対応をお願いいたします。
ワンクリック登録解除インタフェースの提供
List-Unsubscribeヘッダが付与されたメールを表示する際、メールクライアントは、メール配信を解除するためのユーザーインタフェース(リンクやボタンなど)を提供します。メール受信者はこれを操作することで、メール配信解除フォームなどへの入力を行わず、メール配信の解除を配信元に要求できます。
登録解除のユーザーインタフェースはメールクライアントで提供されるもので、本システムが提供するものではありません。登録解除のユーザーインタフェースに関するお問い合わせは、各メールクライアント提供元へお問い合わせください。
ワンクリック登録解除に対応していないメールクライアントでは、登録解除のユーザーインタフェースは提供されません。また、対応しているメールクライアントでも、メール受信側サービスが規定する特定の条件を満たすことで提供される場合があります。
配信リストからの除外
メール送信者は、メール受信者から配信登録の解除要求を受け取った場合、速やかに配信リストから対象の宛先を除外する必要があります。あるメールサービスプロバイダでは、登録解除の要求を受け取ってから「48時間以内に対応する必要がある」としていますが、お客様のメール配信サイクルを考慮し、次回以降の配信が行われないような運用をご検討ください。
本システムでは、お客様の使用する配信リストを更新しませんので、登録解除者リストを取得いただき、反映いただきますようお願いします。
利用方法
利用方法は、List-Unsubscribeヘッダに設定するURLの準備方法により異なります。
- お客様でワンクリック登録解除要求を直接受け付ける場合
- 本システムでご利用になる場合
本システムでは、お客様の配信リストから登録解除者を削除しません。
お客様の配信リストへの反映は必ず実施してください。
お客様でワンクリック登録解除要求を直接受け付ける場合
お客様にて、既にワンクリック登録解除を受け付ける機能をご利用の場合、List-Unsubscribeヘッダに設定するURLを直接指定してご利用いただくことができます。
直接指定してご利用になる場合、本システムで用意している以下のAPIはご利用いただく必要はありません。
- ワンクリック登録解除設定API
- ワンクリック登録解除者リスト取得API
- ワンクリック登録解除者除外API
既にワンクリック登録解除設定APIでHeader Fromアドレスを登録済みの場合は、以下にご注意ください。
- 直接指定されたURLを優先して利用します。
- URLが指定されていない場合には、後述する自動付与が行われます。
本システムでご利用になる場合
本システムでワンクリック登録解除を受け付ける場合は、List-Unsubscribeヘッダに設定するURLを自動的に生成し、付与を行います。
初期設定
本システムで利用するHeader Fromアドレスを指定します。
配信実施
登録したHeader Fromアドレスで配信を行います。
配信時、ワンクリック登録解除を受け付けるURLを自動生成し、List-Unsubscribeヘッダに設定して配信します。
URLには各宛先を識別する情報が含まれており、この情報を元に解除者リストを作成します。
登録解除者リストの反映
解除者リストを取得し、お客様の配信リストへ反映してください。
解除者リストは本システムで要求を受け付けてから90日間保存されます。
保存されている間は、対象の宛先(登録されている宛先メールアドレスとHeader Fromアドレスの組み合わせ)への配信を実施しません。
登録解除者リストからの除外
お客様の配信リストへの反映前に、メール受信者より、再度メールの受信を要求された場合や、お客様のリストへ反映済みで、解除者リストから任意に削除を行いたい場合は、解除者リストからの除外が可能です。